モチベーションとは ~何がやる気を引き出すのか?~

「モチベーション」…日常でも良く使われる言葉だと思います。
モチベーションを学ぶ書籍など多数あり、
「自分自身の為」、ビジネスでは「メンバーのモチベーションを最大限引き出す為」
に勉強する方が多いからだと思います。
―――モチベーションとは具体的に何を示すものなのか?
意味や理論、メリット、上げる方法など自分自身が
「こうやったらモチベーション上がるから、皆もそうだろう」
など実は手探りで、実際は良く分からない方も多いのではないでしょうか。
私なりに「実戦で具体的に使える」を重視して学んだことをお話しします。
この記事の内容は「相手のモチベーションをある程度コントロールする」ために学んだことですので、内容に偏りがあることは了承いただければと思います。
―――では、なぜモチベーションを学ぼうとしたのか?
私の場合は下記になります。
・どうすれば、私が関わる人たちのモチベーションを高められるのか?
※営業していたので顧客のモチベーションも高めたかった
・私の過去の経験(上がった、下がったケース)から
「モチベーションを体系的に理解」したかった
⇒再現性を持ち維持・高めることにつながると感じたから
・年頃の娘、やんちゃな息子のモチベーション管理に困っていたから
・少年野球の指導者として
経験則ではなく、理解した上で実践すべきだと思いますし、伝えることで学びも深まるので記事にさせていただきました。
ではさっそく…
質問です!【皆さまのやる気の源はなんですか?】
はっきり言うと「人それぞれ」…
メンバーに聞いたら
「仲間と一緒に楽しく仕事をすること」
「お金の為」
「成長するため」
「出世」
…など
実はそこには共有するものが含まれている。
「一定の条件の下では、たいていの人が同じものに動機付けられる」
と言う法則の様なものがある。
ここでは整理の為の道具として
キーワードとなる「欲求」の概念をまずは理解する必要があります。
モチベーションとは?
【目標や目的を達成するまで行動を継続させていく力】

―――モチベーションとは…
組織における人間の行動は、モチベーションが大きな役割を果たしている
仕事をするには、その仕事をこなすための「能力」が必要になりますが、
それに伴って「やる気」「意欲」「モチベーション」による強い「力」がなければ、
その仕事で求められる業績や成果を挙げることはできない
高い業績や成果(パフォーマンス)は
「能力」と「モチベーション」の相互作用によって生まれてくる!
モチベーションの活性化
モチベーションとは、その時々の状況や環境によって変わる変動的要因である。
仕事で高い業績や成果を維持していくためには、
モチベーションを安定的に維持・継続させていく必要があります。
モチベーションを発動させるためには、
まず目的や目標といった何らかの方向性を明確に示す。
その目標や目的に向かう強い力や行動のエネルギー(=モチベーション)は、
「期待」や「欲求」によって活性化されます!
モチベーションを高める方法
目標や目的に向かって達成しようとする意識的な行動の動機づけのための管理行動が重要。
仕事への意欲、モチベーションを高める方法としては、広い意味での「報酬」がある。

モチベーション理論を体系的に理解する
モチベーション理論は、2種類に分類できる
「人は何によって動機付けられるか」という動機付けの内容に注目した内容理論
「人はどのようにして動機付けられるか」という動機付けの過程に注目した過程理論

内容理論について
「マズローの欲求5段階説」
欲求5段階説では、人間の欲求は低次元のものから順に、
「生理的欲求」「安全確保欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」
の5段階に分けられる。
この欲求5段階説では、人は低次元の欲求が満たされれば、
さらに高次元の欲求を満たすべく行動すると考えられている。

低次元から具体的な例として
「生理的欲求」…食べたい、飲みたい、眠りたい
「安全・安定の欲求」…自分の生命や財産などを安定した状態に置きたい
「社会的欲求」…仲間に入れてもらいたい、愛されたい
「承認欲求」…他人から尊敬されたい、自分を価値ある存在だと認められたい
「自己実現欲求」…持って生まれた能力を最大限に伸ばしたい、発揮したい
昔はサラリーマンが「昇進」に拘る時代がありました。(今は変わってきたと感じますが)
理由は、この5段階欲求を【全て満たせる手段】になるから。
「やる気の源泉」
例えば「成長したい」と「出世したい」は次元が違う
「仲間と楽しく」「成長したい」…「社会的欲求」や「自己実現欲求」
「お金」「出世したい」…何らかの欲求を満たす手段、間接的に動機付けられる
前者(成長したい)は欲求そのものなのでそれ自体を尊重しなければならない。
後者(出世したい)は一つの手段なので、場合によっては他のものに取り替えられる。
「承認欲求」の重要性
【日本のビジネスパーソンの場合、モチベーションの最大の源泉は「承認欲求」である】
と言われている。
働く人たちに「どんな時に最も嬉しいと感じたか?」とアンケートしたところ
ほぼ半数の人が「承認」に関するエピソードを上げた。
「顧客に感謝されたとき」
「仕事を任されたとき」
「一人前扱いされたとき」
などなど
―――なぜ「承認」は重要か?
単に承認欲求を満たすだけにとどまらず、他の様々な欲求に関係しているから!
上位の自己実現欲求にしても充足するためには何らかの尺度が必要
⇒他者からの「承認」と言うフィードバックがあってはじめて実感出来ることが多い!
モチベーションを上げる一つの方法として「承認する」ことはとても大事です!
過程理論について
ポーター&ローラーの期待理論
モチベーションの強さは、
「期待(可能性)」と「誘意性(欲求の強さ)」で表される。

注意すべき点
「魅力」と「期待」が掛け算になっている
例)報酬や目標がいくら魅力的でも努力によって手に入らなければ「0」
【つまり成果を上げることがどんな報酬に繋がり、その報酬をどう受け止めるかが重要!】
モチベーションの維持が与える影響
組織メンバーのモチベーションが高まれば、
仕事の質やサービスが高まり、
その結果として職務の「生産性向上」や「効率化」につながります。
個々のメンバーの生産性向上が組織全体のパフォーマンス向上につながり、
最終的には「従業員満足」や「顧客満足」の向上につながると考えられている。
企業組織全体でのパフォーマンス向上を実現するためには、
個々におけるモチベーションを高めなければならないということ!

モチベーションをUPさせる鉄則
まずは「やる気の足かせ」を排除する事
〇「何かをやってやろう」と言う「自発的モチベーション」
△「やった方が良い」「やらなければならない」と言う「受身モチベーション」
モチベーションの「量」と「質」
決められた仕事をこなすだけなら「量」を念頭に置けば良かった。
しかし知的な仕事では「質」が重要になっている。
モチベーションの「量」
…「全力で」「精一杯」「がんばれ」で何とかなる、生産性があがること
モチベーションの「質」
…自分だから出来る事、しかできない事、顧客のニーズに合わせた提案など
モチベーションの「量」と「質」は反比例する
…がんばれや精一杯がんばれというと質を落として量に拘ってしまう
モチベーションは「枯渇する」
…バーンアウト、燃え尽きてしまう 理由は量を求めすぎたため
モチベーションには「最適値がある」
…逆のU字曲線、スポーツ選手の大事な試合、最適値にするためには
楽しくプレーしよう、よしやってやろうと思うこと
【仕事の成果はモチベーションの「質」、自発的なモチベーションに拘る必要がある】
自身のモチベーションを高めるには
【「野心」と「ナルシシズム」がもっとも効果があるとされている】
「野心」…「偉くなりたい」「有名になりたい」「大金持ちになりたい」など
「ナルシシズム」…「やれば出来る」と言う自信
⇒有能感、自己効力感の高さが重要…だが難しい…
分かりやすい例として「松岡修造」
―――「ナルシストになるためには?」
【現時点の実力に惚れるのではなく、自分の潜在能力、可能性に惚れる】
体系的理解のまとめ
【何がやる気を引き出すか?】
⇒はっきり言うと単純明快な答えは無い…
仕事の楽しさや成長、承認や報酬にしても、それが背後で何に繋がっているのか?
それを理解してはじめて「やる気の源泉」にたどり着く。
「今一度、自身の欲求を深堀してモチベーションの維持・高める方法を考える」
「長期的な夢や目標はモチベーションの大きな原動力!しかも大きく!」
「承認しあう文化を作ることでモチベーションを高めあう」
ここからは実践的な例から、どうすれば人は意欲的になれるのか?
心理行動実験の具体的ケースと結果のお話しです!
参考として下記URLの書籍を活用しております。

CASE① 内発的動機付け

【結果】
…数週間後
同じ子供たちにまたマーカーペンで遊んでもらいました。
今回はご褒美がありません
BチームとCチームは前回同様、絵を描いて遊んだ
Aチームは、絵を描くことにまるで興味を示さなくなった
…つまり
【自主的な行動に対してご褒美を与えると、内発的動機付けが損なわれる】
CASE② 焦点の移動

【結果】
①は「仕事は面白くないものだ」に固執
②はメリットが無いことに気付き
「どうすれば仕事を面白くできるだろうか?」を考え始めた
つまり「人の考え」は
「理由」をたずねると「強化」され
「目的」をたずねると「軟化」する傾向
「なぜ」という言葉には、過去に意識を向けさせる効果がある
過去に意識を向ければ向けるほど「自分は正しい」と言う確信を強めることになる
営業話法として「理由」と「目的」を使い分ける方法を意識して使っていました!
例えば他社製品を使われている顧客に使用している「理由」を伺うのは【✖】
⇒これは他社製品を使用している理由が強化されてしまうため!
逆に他社製品の不具合や使い勝手が悪い等の話題の際に「理由」伺うのは【〇】
⇒なぜ不具合や使い勝手が悪いのか考えさせ理由が強化されるため!
CASE③ 行動思考
【まず手続きをする】
学生たちに次のようなお願いをします👇

上記のお願いをする前に、 あらかじめ次のことをやってもらいました👇

【結果】
Bチームの学生は、
Aチームの学生と比べて、平均10日早くアンケートを送った。
つまり
理由を考えていると行動が鈍り
「なにをすべきか?」に意識を向けると具体的な行動をしやすくなる
抽象化されたタスクを「具体的な手続き」に変換すると行動しやすくなる!
ある作業をお願いする時は、具体的な手順を確認するorしっかり伝える事が重要!
CASE④ 段階的要請
【小さな一回をお願いしてみる】
仕掛人はボランティアと称して、住宅街の家庭を訪ねます。

…つまり
小さな行動を起こす事よって新しいアイデンティティが作られる!
お願いは「ちょっとだけ」から始めてみよう!
このCASEは自然と使われている方も多いと思います。
だってそのあとの大きな目的を何とか達成したいから(笑)
CASE⑤ 反証的質問
【問題は「あるもの」として話す】

メンバー、取引先に隠れた問題点やデメリットを聞き出すというのは案外難しいもの…
【結果】

…つまり
問題が「ある前提」でたずねた方が問題点をたしかめやすい!
―――なにを問題点やデメリットととらえるか?
人によって解釈が分かれるのでなかなか話してもらえない。
「何か問題はありますか?」と聞くと「(たぶん)ありません」という答えが返ってくる。
⇒今起きている問題はなに?と尋ねると相手の頭の中で問題のリストアップが始まる。
まとめ
「何がやる気を引き出すのか?」
人それぞれ違うからこそ、モチベーションを体系的に理解する必要があり学びました。
チームメンバーであれば面談やディスカッションで多くのヒントが得られると思います。
しかし、対顧客などたいていのビジネスシーンでは時間を確保することすら難しい。
そのような時に、モチベーションを体系的に理解できていると、日ごろの面談や打ち合わせから個々のやる気の源を意識的に探ることが出来ると思います。
また心理行動実験から、意識し話法に活かすことで結果が変わるはずです!
相手の行動変化を促す方法、相手の考えを引き出す話法…
こちらのちょっとした行動や話し方がとても重要だと理解できたと思います。
インプットだけではなく、しっかりアウトプットして自身とかかわる周りの人達の
モチベーションを上げて充実した日々につなげて行きましょう!
ブログの内容についてご意見・ご感想、リクエストなどございましたら
是非コメントいただけますと嬉しいです!可能な限りお返事しますので…
mailto:info@yoshii-kikaku.co.jp

プロフィール////////////
吉井寛(YOSHII YUTAKA) 1977年5月生まれ
株式会社吉井企画 代表取締役
ジョンソン・エンド・ジョンソンの製薬部門など医薬情報担当者(MR)で営業畑23年。
転勤族:札幌・福岡・沖縄・東京・千葉・栃木・福島で生活
会社員時の不動産投資経験から仕組みを理解し、いつかはMEGA大家を夢見る。
45歳:突然の退職勧奨(クビ)となり、今後の人生について1年近く放浪。
不動産事業で「起業」を決意。
46歳:宿泊施設「貸別荘」を中心とした事業で起業
2024年中に3つの貸別荘スタート予定